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2015年 12月 09日
![]() 上の写真はどこの国のなにでしょうか。 一見すると、どこかの田舎の水辺の小屋、それもどちらかというと人々の 生活から忘れさられた小屋のように見えます。 実はこれはケニアのヒッチ八ットンという、高級リゾートホテルの 宿泊棟なのです。この写真を最初に載せたのは、ケニアを訪れる旅行者が 泊りたいと考えるホテルのタイプを端的に伝えてくれるからです。 それはどういうことでしょうか。 人々はグローバル化の中、世界中の都市が均一化していく中で、自分たちの 身の回りにあるものとは違う何かを求めて世界中に出かけていき、 その土地そのものを体験したいと考えているからです。 大昔から、人々は異なる文化を求めて動き回ってきました。 それは新奇で希少なもの、新天地が経済的富をもたらしたこともさることながら、 新たな、未経験の刺激が大きな喜びをもたらしてくれるからです。 このリゾートホテルの宿泊棟は、テントでできています。 ケニアのサバンナにテントを張り、さわやかな風の中で、満天の星に包まれながら 眠るという、まるで映画に出てくるようなシーンを、つまりこの場所でしかできない 体験することができるのです。 ![]() 旅行者を迎い入れる側に立ってみると、観光産業の資源は地域の 多様性であり、地域固有のもの、文化遺産、生活様式等が産業の資源となり、 地域の収入源となるのです。つまり、観光産業は地域の個性、伝統、自然等を 破壊することなく成り立つ可能性があるという意味では、うまく運営すれば 理想の産業となりうるのです。 一見当たり前のように思えるこの事実も、実は、我が日本では21世紀に 入るまでは、そうとは考えてはいなかったのではないかと、思えることが 多々あります。いや実はそれは、もう少し最近までのことかもしれません。 例えば、1980年代のバブルの時、日本全国に計画されたリゾートなるものは、 まったく別の場所に持っていっても成り立つのではないかという、金太郎あめの ような計画、さらに言えば、地域の固有性を破壊するような計画が多く 見受けられました。 そのためリゾート開発=悪というイメージすら出来上がってしまいました。 また現在でも、地方都市の個性なき開発には、残念ながらうんざりするものも 多いのも事実です。 具体的な例で挙げると、昨年訪れた福井の三方五湖の展望台から見渡す 景観はすばらしいものでした。しかし残念ながら、その展望台は、お金をかけて 景観とはあわないものにしてしまったと、一緒に訪れた皆だれもが感じたほど 雑多なものでした。これは本当に残念なことです。 このようなことをしていると公共事業=悪というイメージが生まれてしまいます。 例えば下の写真は南アフリカのケープタウンを見下ろすテーブルマウンテンの 展望台です。世界中の人々を迎え入れる為、手すりは石積み壁とするなど、 岩山の景観を壊さないよう、最新の注意を払ってデザインされています。 ![]() ![]() 世界中の人々は、日常の生活とから離れた体験をするために旅立つのであり、 地域の資源を破壊した上に成り立つ場所はやがて忘れ去られてしまうでしょう。 日本において地方の疲弊が言われて続けています。 高度成長の時期には、都市で稼いだお金を、公共事業という形で地方に 還元し、全国均一の規制のもと、箱物を作り、ある意味地方の個性を 破壊しながら、地方の生活を成り立たせてきた訳です。 しかしながらこのようなお金の流れ、やり方はもはや成りたたないのです。 そのような時代の中で、観光産業は地方を成立させる、ひとつの柱となることは 間違いありません。それは、地域固有のもの、文化遺産、生活様式等を うまく生かし、人をひき付ける魅力があればこそのことです。 私が今まで訪れた場所がいかにして、地域の個性を生かして世界中の人々を 引き付けているか、リゾート・観光施設を中心に、書いてみようと思います。 だいぶ昔に訪れた場所も多いのですが、本質的な部分は変わらないはずです。
by mabg-sky
| 2015-12-09 17:17
| リゾート・観光施設
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