素材には古びて味がでるものとそうでないものがあります。
総じて古びて味がでるものは、木、煉瓦、左官、柔らかい石のように
自然素材で表面から水を吸う素材が多いようです。
ですから雨がかり等、充分注意して使う必要があります。
それに対してタイル、ガラス、アルミ、塗装のような素材は
古びて味がでる素材ではないので汚れないように考慮して使う必要があります。
ところが最近は、そのような基本的なことに配慮をしていない建物が、雑誌等でも
目立ちます。竣工から数年は良いが、そのあとはどんどん汚れるばかりという建築は
困りものです。古びて味が出るか、汚れないか等は細部にわたる
建築的配慮によって決まります。
例えば打ち放しコンクリートは素材感があるいい材料ですが
多孔質なので、汚れが付着しやすい素材です。
ですから使うときには、上部にたまったほこりが雨水とともに落ちて壁を汚さないよう、
水切りを付ける等の配慮が必要です。